企業の評判や求人情報を掲載している転職クチコミサイト「転職会議」に「事実無根の投稿で社会的評価を低下させられた」という徳島市の企業が、プロバイダー責任法に基づき、高松市のプロバイダー「STNet」を相手取り、投稿者の名前や住所などの開示を求めた訴訟の判決が、22日に高松地裁でありました。
「名誉が毀損されたことは明らかだ」として投稿者の名前や住所などの開示が命じられたようです。
昨年10月に「転職会議」の口コミ欄に、従業員と名乗る人物から匿名で「社長はワンマン」「管理職に管理能力はない」などと投稿されたこの企業は、「転職会議」運営者に投稿者のIPアドレスなどの開示を求める仮処分を東京地裁に申し立てました。
その結果、投稿は「STNet」経由であることを把握し、投稿者名などの開示を求めていたというもの。
投稿者をつきとめるため、まずはサイト管理者に、そしてプロバイダーと、順を追って手続きをしたということになります。
プロバイダー側は「投稿者の意見で、社会的評価を低下させたとまで言えない」と主張したものの、判決は「前提となる真実や相当性が証明されていない」ということでした。
(2017年8月23日 読売新聞朝刊より)
そう、口コミか誹謗中傷かの分かれ目がここなんです。事実を書いているか、個人感情を書いているか。
たとえば、「社長はワンマン」という口コミも、「社長は、会議で決まった企画を無断で覆すことがあった」であれば、名誉毀損にならなかったかもしれません。
投稿者が「社長はワンマン」と感じただけであり、事実かどうかはわからないことから「事実無根」の投稿で企業の評価を低下させたという判断なのでしょう。
「管理職に管理能力はない」に事実のたとえを文章にしようとしましたが、思いつきません。何かいい例文あるでしょうか。
感情に走って文章書くのはたやすいですが、事実のみを書くって難しいのですね。
人の噂話もそうです。「あれきっと、そうやで!」と、事実の確認もなく、思い込みや想像で決めつけて言いふらしていることはないでしょうか。
または、事実と憶測をごちゃ混ぜにしてしまっていることはないでしょうか。聞いている方は、どこまでが本当の話なのかわからなくなってしまいます。本当かどうかわからないとしても、一度聞かされて感じた印象というものは、当分の間拭えません。
もし、それが、仕事に関わるものであれば、お互い仕事の機会を逃すことになります。そうなると、損害を被ったということで訴訟にもなりかねません。
「投稿者の意見で、社会的評価を低下させる」ことは十分あると私は思います。
「誰かが言ってた」ことも、あてになりません。そもそもそこが間違っているかもしれない。でも、自分の口から出してしまったら、書いてしまったら、自分の責任です。
今、自分が言おうとしていること、書こうとしていることは、事実なのか。それとも、自分の感情なのか、憶測なのか。よく考えて情報発信しないといけないと、改めて思いました。気をつけましょう!
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