こんにちは、Web Aqua 代表 日向凛です。Google 副社長が退社したとラジオから流れてきて驚きました。理由を聞いてさらにびっくり。「会社への影響を気にせず、AIの危険性について発言するためだ」そうです。
経営者はAIに対してどうあるべきか?を文末に書きました。ぜひお読みになって今後の参考にしてください。
AIは本当に危険なのか?
AIの注意点については私も記事にしてきました。
人間の仕事が減少
AIの回答によるバイアスや誤判断
機密情報漏洩の可能性
参考記事:
情報の不正確さとコンテンツ二次利用による著作権の問題
AIが万能であるという依存
参考記事:
しかしAI研究の第一人者であるヒントン氏はそれ以上の危険性を感じているようです。
AIの開発に加わったことを後悔し、自らを原子爆弾の開発者になぞらえているくらいです。
参考記事:
産経ニュースによると、ヒントン氏は「ChatGPTなどの生成AIを悪意のある人たちに利用されるのを防ぐ手だてが想像できない」と、偽情報の拡散が頻発することに懸念を示しているそうです。また、雇用が大きな影響を受ける可能性も指摘し、歯止めのない競争に入ってしまったとの見方も示しています。
生成AI ChatGPTについてこれだけは知っておこう
2022年11月に公開されたChatGPT、2ヶ月で1億人ユーザーを突破しました。
これは全産業、全人類初のことだといいます(G1サミット2023にて)。
まずChatGPTというのは大規模言語モデル(Large Language Model)です。
大量に学習した言語の中から「この言葉の次にはこの言葉がくるだろう」と確率の高そうな言葉を選んで文章を作成しています。
正しいかどうかなど考えていません。感情もありません。
「もしもし亀よ」と来たら「亀さんよ」
「昔むかしあるところに」の後は「おじいさんとおばあさんが」がパターンですよね。
そんなノリです。
2021年までに存在した情報を学習してあり、その中の言葉を繋いで文章にしチャットで返しているのです。
ですからChatGPTを調べ物に使うのは大きな間違いです。
AIで偽情報が拡散する危険とは?
先に説明したとおり、正しいかどうかわからないChatGPTの回答ですが、もっともらしい文章が生成されるため信じてしまう人が後を絶たないと考えられます。
画像生成AIにしても高クオリティの画像を瞬時に作成します。
手間をかけずにそれらしいものが生成されるなら、コンテンツ提供側は…やはり使いますよね。実際すでに使われているようです。
こうなると、世に氾濫する情報が「もはや何が本物かわからない」状態に陥ります。
雇用が影響を受け、歯止めのない競争に
いうまでもなく、手間をかけずにそこそこのクオリティの文章や画像が生成されるなら、人手を使うことは減るでしょう。人に頼んでもその人がAIを使うかもしれません。人に頼む価値に疑問が生じてきます。
競うようにChatGPTを銘打ったセミナーやサービスも登場していますね。
過度に誇張した情報で間違った使い方をする人が増えないことを願っています。
ChatGPTの上手な使い方は?
先に述べたように、ChatGPTから正解を得ようというのは間違いです。
検索には使えません。
作成した文章を読み込ませて
ブラッシュアップに使う
要約に使う
アイデア出しに使う
チェックに使う
というのが良さそうです。聞き方が雑だと回答も雑になります。
プロンプト例:
「あなたは経済メディアの編集長として振る舞います。以下の原稿をレビューし、編集長が指摘するであろう点を予測し、その対策案を列挙しなさい」
「以下の本文に対して適切な導入文章を三行で作成してください」
「以下の記事のタイトルを100パターン出してください」
作成した文章を合わせて指示を出すのがポイントです。
参考動画:
追記:
「手ぶらで質問するな」ということかなと思いました。
素材を提供し適切な質問をすることで最良の回答が返ってくる。
何も提供せず質問だけしても、過去の情報から回答を適当に拾ってくるしかできませんよね。そんなイメージです。
経営者として意識しておくべきこと
ヒントン氏はAIによる歯止めの効かない世界の混乱に危険を感じています。
しかし私たち経営者は「AIを理解しないことで置いてきぼりにされる危険」を意識しなくてはいけません。
これから、AIによって量産されたコンテンツの飽和状態が生まれます。
そのとき、人間の書いたテキストをどうやって読んでもらうか?も深刻な問題です。
理解して上手に活用している企業とそうでない企業。
確実に大きな格差が生まれます。今後も継続して注意しておくことが必要です。
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