「イモトのWiFi」に課徴金1億7,262万円 広告のNo.1表記で景表法違反
- 3月13日
- 読了時間: 5分
「お客様満足度No.1」「海外旅行者が選ぶNo.1」「顧客対応満足度No.1」といった広告を出していたエクスコムグローバル株式会社に対し、景品表示法違反で1億7,262万円の課徴金支払命令が消費者庁から出されました。
景品表示法とは、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」といい、消費者が誤った認識で質の良くない商品やサービスを購入し不利益を被らないように設けられている法律です。
ここでは、今回の違反内容と課徴金の仕組み、そして中小企業や広告制作者がが広告表記で注意すべきポイントについて解説します。
この記事でわかること
なぜ「No.1」広告が景品表示法違反になったのか
措置命令と課徴金納付命令の違い
中小企業や広告制作者が今すぐ見直すべき表現チェックリスト
「イモトのWiFi」景表法違反 事件の概要
エクスコムグローバル株式会社は、「イモトのWiFi」でよく知られている、海外向けモバイルルーターのレンタルサービスを提供する事業者です。空港などでもよく見かけると思います。
今回の課徴金命令に至るまでの経緯は以下のとおりです。
2020年2月〜2024年5月:自社ウェブサイトおよび旅行ガイドブックにNo.1表示の広告を掲載
2024年2月28日:消費者庁が景品表示法違反として措置命令を発出
2026年3月12日:消費者庁が課徴金1億7,262万円の納付命令を発出(納付期限:2026年10月13日)
何が問題だったのか
問題となった広告表示は次の3点です。
お客様満足度 No.1 海外Wi-Fiレンタル
海外旅行者が選ぶ No.1 海外Wi-Fiレンタル
顧客対応満足度 No.1 海外Wi-Fiレンタル
これらは、実際にサービスを利用した人を対象にした調査ではありませんでした。消費者庁の調査によると、調査対象者がイモトのWiFiや競合他社のサービスを本当に使ったことがあるかどうか確認しないまま、各社のウェブサイトを見た「印象」を聞くだけのものだったとされています。
つまり、「使ったことがある人の中で1位」ではなく「見た目の印象を聞いた調査での1位」に過ぎなかったわけです。さらに、調査結果の引用の仕方も正確なものではなかったと判断されました。
措置命令と課徴金納付命令の違いは何か
景品表示法の行政処分には、大きく分けて2段階があります。
① 措置命令(第7条)とは
違反行為の差止め、再発防止策の実施、消費者への周知などを命じる行政処分です。金銭的なペナルティはありません。
② 課徴金納付命令(第8条)とは
優良誤認(ゆうりょうごにん)または有利誤認(ゆうりごにん)に該当する表示をしていた期間の売上額に3%を乗じた金額を国庫へ納めるよう命じるものです。対象期間は最大3年間です。
優良誤認とは、商品・サービスの「品質や内容」が実際より「優れているように見える」表示のこと。有利誤認とは、「価格や取引条件」が実際より「お得に見える」表示のことです。
今回の1億7,262万円は、課徴金対象期間(2021年6月〜2024年6月)における売上約57億5,400万円に3%を掛けて算出されています。売上の3%は、中小企業にとって経営を揺るがすダメージになりかねません。非常に大きなペナルティだといえます。
「No.1」「日本一」表記はなぜ危ないのか
「最高」「No.1」「業界初」「日本一」といった表現は、それを裏付ける客観的な根拠がなければ、景品表示法の優良誤認表示(第5条第1号)に該当し、景表法違反となります。
よくある違反パターンは以下のとおりです。
根拠のないNo.1・シェア率(%)の表記
販売実績のない「通常価格」との二重価格表記
根拠の不透明な競合比較表現
自社に都合のよい口コミを依頼するステルスマーケティング
「調査会社に依頼したから大丈夫」と考えている方も多いですが、調査設計が不適切であれば、外部委託していても違反になります。今回のエクスコムグローバルのケースがまさにその典型例です。
中小企業・広告制作者が今すぐ確認すべき表現チェックリスト
景品表示法は大企業だけが対象ではありません。すべての事業主に適用されます。広告やホームページで以下の表現を使っていないか確認をしてください。
⚠️ 要注意の表現
業界No.1、顧客満足度98%
業界最安値、最高品質
日本一、世界初
通常価格より●%オフ
電球●W相当の明るさ
●●菌が1時間でなんと6倍
●●を使うと気温が平均約10℃低
依頼して書いてもらったお客様の声・口コミ(PR表記が必要)
✅ 掲載前に自問すべき3つの問い
この表示の根拠となる調査・データはあるか
調査対象は実際の利用者で、十分な母数があるか
調査結果を正確に引用しているか
まとめ
今回の「イモトのWiFi」のケースは、一見すると普通に見えるNo.1表記が、調査の中身を問われた結果、1億7,000万円超の課徴金につながった事例です。
広告表現は「他社もやってるから大丈夫だろう」などと判断せず、根拠があるかどうかを常に問い直す習慣が大切です。
参考までに、消費者庁から発行の「事例でわかる景品表示法」のガイドブックなどの資料がいくつかございます。リンクを掲載しておきますので、必要な方は記事のURLからダウンロードしてください。
・事例でわかる景品表示法 不当景品類および不当表示防止法ガイドブック
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_160801_0001.pdf
・景品表示法における違反事例集
・RIZAPが行政処分に!あなたのSNSは大丈夫?違反すると怖いステマ規制と景品表示法
弊社では、薬機法対策・景表法対策を踏まえたマーケティングを行なっております。
ホームページやLP、SNS広告の表現が気になる方は、お気軽にご相談ください。
この記事を書いた人

日向 凛(Wix Partner Level Legend)
SEO・薬機法対策・Wixの専門家。
Wix パートナーの最高位レベル保持者として、ビジネスに強いホームページ制作・運用支援を行っています。
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